老齢給付

本来支給の老齢厚生年金

共済組合員又は共済組合員であった者で、その他の公的年金を含めて加入期間が10年以上ある場合は、65歳から老齢厚生年金を受給することができます(一部受給開始年齢の特例あり)。受給権が発生する日(65歳の誕生日の前日)の約3ケ月前に、最後に加入した機関から請求書が送付されます。

加給年金額

厚生年金の被保険者期間が20年以上あり、組合員によって生計を維持していた65歳未満の配偶者、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子又は20歳未満で障害等級が1、2級に該当する子がいる場合は、加入期間が一番長い機関の老齢厚生年金に加給年金額が加算されます。

※受給権者と生計を共にしていた者のうち、恒常的な収入金額が将来にわたって年額850万円(所得で655万5千円)未満と認められる者であること

所得停止

年金受給権者が、就労により厚生年金の被保険者である場合は、基本月額(年金)と総報酬月額相当額(給与)の合算額が基準額を超えた場合は、年金の一部又は全部が支給停止されます。

退職共済年金(経過的職域加算額)

上記老齢厚生年金の支給要件を満たしている者のうち、平成27年9月以前に引き続く組合員期間が1年以上ある場合は、退職共済年金(経過的職域加算額)を受給することができます。老齢厚生年金を請求すると、同時に請求したこととなります。

在職停止

年金受給権者が、組合員として在職している場合は、退職共済年金(経過的職域加算額)が全額支給停止されます。

退職等年金給付(退職年金)

共済組合員又は共済組合員であった者で、平成27年10月以降に組合員期間があり、下記のいずれの要件にも該当するときは、退職年金が支給されます。

  1. 65歳以上である
  2. 退職している(共済組合員でない)
  3. 1年以上引き続く組合員期間を有している

退職年金は、年金原資の半分を終身退職年金、もう半分を有期退職年金として受給することとなります。
有期退職年金の支給期間は、原則20年ですが、10年又は一時金として受給することもできます。

繰上げ支給

老齢給付は、原則65歳からの受給ですが、60歳から65歳までの間で、繰上げて受給することができます。
老齢厚生年金の繰上げ請求をする場合は、退職共済年金(経過的職域加算額)、老齢基礎年金も原則同時に行うこととなります。繰上げて受給した場合は、繰上げ請求した期間に応じて、年金額が生涯にわたって減額されることとなります。
退職等年金給付(退職年金)の繰上げ請求は、老齢厚生年金の繰上げ請求と同時に行う必要はありません。繰上げて受給した場合は、利子相当額の計算が変わる等、65歳から受給する場合と比べ年金額が減額となります。

繰下げ支給

老齢厚生年金は、65歳から受け取ることができる年金を、66歳以降75歳までの間で繰下げて受給することができます。繰下げの申し出は、他機関の老齢厚生年金と同時に行わなければならず、退職共済年金(経過的職域加算額)についても、同時に申し出たことになります。繰下げ請求すると、66歳以降に受け取る年金額は、65歳で受け取ることができた年金額に繰下げ期間に応じて、年金額が増額されます。なお、老齢基礎年金及び退職等年金給付(退職年金)の繰下げは、老齢厚生年金の繰下げ請求と同時に行う必要はありません。
退職等年金給付(退職年金)の受給権を有する者が請求を行っていない場合、原則として75歳の誕生日の前々日までの間に、繰下げて受給することができます。繰下げて受給する場合は、利子相当額の計算が変わる等、受給権発生時点に比べ年金額は増額となります。

遺族給付

組合員もしくは老齢厚生年金等を受給している元組合員が死亡した時、その方に生計を維持されていた遺族に対して遺族厚生年金の支給が開始されます。ここでいう遺族とは以下の優先順位で認定されます。

  1. 配偶者および子(夫の場合は55歳以上、子については18歳になった後の最初の3月31日までの間の未婚の子または 障害等級が1級か2級に該当する20歳未満の未婚の子)
  2. 父母(55歳以上)
  3. 孫(18歳になった後の最初の3月31日までの間の未婚の孫または障害等級が1級か2級に該当する20歳未満の未婚の孫)
  4. 祖父母(55歳上)

また、死亡した者と生計が同一(原則同居で、年収850万円未満)であることが要件となっています。
孫については、その親と生計を共にしている場合は遺族に該当しません。
優先順位が上位の者を遺族として認定した場合、下位順位の者は認定されません。また、優先順位が同じ配偶者と子の場合、配偶者の妻が支給を受けている場合は子に対する支給は停止されます。
なお、ここでいう障害等級は、厚生年金保険法等に規定するものであり、身体障害者手帳等の等級とは異なります。
詳しくはご相談ください。

障害給付

組合員が在職中の病気やケガによって、重度の障害者となった時に支給される年金で、支給要件は以下のとおりです。

  1. 組合員である間に初診日のある傷病により、障害認定日(初診日から1年6ケ月経過した日又はその間に症状が治った日、もしくはその症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日)に障害等級が1~3級の障害の程度に該当する障害の状態にあるとき
  2. 障害認定日に障害等級が1~3級までの障害の程度に該当しなかった者が、その後65歳に達する日の前日までの間に、3級以上の障害の程度に該当する障害の状態になったとき
  3. 組合員である間に、初診日のある傷病による障害とその他の傷病による障害とを併合して障害等級が1級又は2級の障害の状態になったとき

障害厚生年金で重要なのは3級以上の障害等級に該当するかどうかということです。
ここでいう障害等級とは厚生年金保険法等に規定されている認定基準のことで、身体障害者手帳等の等級のことではありません。
傷病の認定にあたっては診断書による慎重な審査が必要となるので、事前にかかりつけの医療機関に相談することをお勧めします。